アナログ針経由での
MP3プレーヤーの再生
「めくるめくインチキ家電」というテーマで、過去作のマイコン炊飯器に加えて新規に2つ製作することにした。
そのひとつが、この「アナログ針経由でのMP3プレーヤーの再生/あるいは、機械式エフェクター」である。
アナログレコードの音の温かみがどうのこうの、といった議論がなされることがある。
デジタル録音と違ってサンプリングレートの制限がないのを理由とする説明もあるが、いやまあ針という機械的部分を含むもので追従するわけはないでしょう、むしろ温かみが針の応答特性によって生み出されている可能性があるなと思ったので、デジタル再生機の信号を針やカートリッジになんとか通して、「温かみ」を付与させようとする企画。
買ってきた中古のレコードプレーヤー本体は、ハードオフでサウンドバーガーもどき。2300円くらい。
USB電源駆動。再生音をPCに取り込む機能もあるらしい。ハイテク。使わないけど。
MP3再生機。何でもよい。
針に振動を伝えるのは、エキサイタと呼ばれる振動素子。これの周波数特性も出てしまうが他にいいのが思いつかないのであきらめる。
デジタルアンプで増幅して駆動する。
本来、レコード針はモノラルの場合、左右に振れる。ステレオの場合は、45度方向に片チャンネルごと入っている。今回のレコードプレーヤーは、取説をちらっと見たところステレオ仕様のようにも見えたので、上下に針を振動させてもモノラル音は出るだろう。
ステレオ方式に合わせて2ch仕様にしたエキサイタホルダを作った。
レコードプレーヤーの再生ゲインが小さいため、ヘッドホンアンプで増幅した。
今回は適当にその辺に転がっていた、過去に自作したヘッドホンアンプを使用した。
レコード盤がない状態で音が流れる。
聴いてみると、イコライザでいじったような周波数特性の変化のほかに、周波数依存の機械的共振成分が発生した。
時間とともに減衰していく共振成分をデジタルで再現するのはなかなか難しそうに思う。
今後
・バラック組で動作したので、もう少し体裁を整える。
・展示できればmp3プレーヤーからの音と針を通った音を聴き比べてもらう