※正しい直し方とは言えません.いらないスピーカであそびましょう
貰い物のサブウーハが少し音量上げただけでビリビリいう.
ネットを外してみると,スピーカーエッジが劣化して裂けていた.
この手のウレタン製品は「腐る」とよく形容されるが,加水分解によって劣化し,
何やらネトネトした物質に変化する.
最近でこそ,この腐るウレタン問題は問題であると認識されたらしく,
ヘッドホンのイヤパッドなどでは,保守部品を取り寄せると材質変更されていたりする.
しかし,家庭用電気製品では最も「ビンテージ」経年製品が愛される業界
(なにせ未だに真空管こそ至高!なユーザがたくさんいる)で,
どうしてほんの十数年後の状態に目が行かなかったのかは不思議.
ひとつには,湿度の低い海外で,材が実績積んでしまっていて,地域差を見落としたか,
もうひとつには,,何も言うまい.
さて,まず,腐ったエッジを除去する.
エッジ外周を留めている縁を取り外し,大雑把にウレタンをよける.
残ったウレタンは,機材を破壊しない程度にドライバーなどでこそげ取るが,
コーン裏側はがんばると再起不能になりそうなのでそのままにして,換えエッジは表から貼ることにした.
どっちから貼ろうと大勢に影響はない.※
だいたいのエッジ中心部の外周をはかり,外周長に合わせてガイドを切りだす.
今回は,そのへんにあったテレビアンテナ線の残りを切り出した.
捨ててもいいなんか硬いもの(生焼けDVD)の上に両面テープを貼り,輪にしたコードを貼り付ける.
換えエッジだが,専用品が通販で購入できるそうだが,諸事情によりカネがないし,
元々が拾い物なので,代用品を検討した.
元のエッジ材としては1)ウレタン 2)ゴム 3)布
だそうで,要求仕様としてはよく曲がり,空気がもれず,かつある程度の強度でコーンを支えたり,減衰があるものなんだろう.
代用品として,セーム革を使う事があったそうなので,
今回は,メガネ拭き用の布を流用してみる.
眼鏡市場の黒いのにしたが,色も含め特に意味は無い.どうせサランネットしたら誰も見ない.
ガイド材に合うように整形しながら,両面テープに貼っていく.
多少の誤差は気にしない.どうせ大した影響はでない.※
布材をエッジとする場合,コーンが押し出した空気が布を通してすり抜けてしまうと,効率が落ちるため,
布目を塞ぐ必要がある,ようなきがする.適当にある程度の耐久性がありそうなものを選ぶ,
ということで,当初SBRゴム配合のスプレーのりを使おうと思ったが,
使いかけのスプレーのりが詰まって二度と出なくなるというありがちな呪いを踏んだので,
天然ゴム配合らしいという,ミツワのペーパーセメントにした.
どうせ耐久性以外に大した差は出ない.※
素のペーパーセメントは速乾性重視で配合されており,塗り終わる前に乾いてダマになってくるので,
適宜パーツクリーナを手にとって塗り広げるとよい.
「ゴムのりにパーツクリーナ」は,自転車屋がハンドルグリップを取り付けるときによく使う手.
ただし,あまり薄めすぎると,両面テープの接着力が失われてくるのでほどほどに.
あんまりなダマや一切ゴムが染みていない部分がなくなったら終了.
多少の塗りムラは誤差の範囲.※
だいたい乾いたら,内周をのりしろを残して切り,その後ゆっくりテープとガイドをはがす.
はがす際に整形した形状が歪むが,多少なりとも形が残っていればよしとし,ざっと再整形する.
のりがあるので,ある程度の形にはなる.
今回は外周から貼っていく.
セメントを塗って,内周の位置を合わせて,エッジ押さえを貼る.
エッジ押さえをガイドにして余分な布を切り取る.
コーンにパーツクリーナで薄めたペーパーセメントを塗り,だいたい均等なゆるみになるようにしながら内周を貼る.
少しドライヤーで乾かして,ある程度外周と内周の強度が出たら,ケーブルつないで組み込んで鳴らす.
音量が大きくなったとか,音質が良くなったとか感じるようなら,それはたいてい,
前の状態がよっぽどヤバいままずいぶんと使ってたってことでしょう.
あとは,喧伝しないなら自力作業によるプラシーボ効果の恩恵は個人の自由です.浸りましょう.
今回は,常用音量でビリビリいわなくなったので,それでじゅうぶん.
ちなみに,スピーカ接続部にガスケットが挟んであって空気漏れに配慮してるのかと一瞬感心したが,
鳴らしてみたら,スピーカ上部のスイッチの隙間から空気が抜けていた.
ま,大抵のことは誤差の範囲.