デジタル射的の射撃ユニットの改良

前回はこちら

前回までに,基本的な機能が完成したシステムであるが,いくつか課題が残っていた.

1.サイレンサーがじゃますぎてアイアンサイトが見えない

2.10禁エアガン用に作ってしまったため,よりパワーがあるとされる18禁エアガンに対応してない

1.は致命的で,狙いをつけるためにダットサイトを投入したが,サイトを付ける場所もなく,

サイレンサーの上に無理やり乗っけているような状態だったためなんとかする必要がある.

2.は,サイレンサーのつく機材のほとんどが18歳以上向けになるので,

なんとかしないとハンドガンで使えないことになってしまう

ので,対応した.

サイレンサーが太すぎ問題は,「実は細いハンドガン用サイレンサーが売っている」という.

ただし,あればいいのではなくて,その中に圧力取り出し+レーザのユニットを組み込まなければならないので,

小さくなることは製作の難易度を上げる.

今回でいえば,配管の向きを曲げるためのユニオンティーが細くなったことによりねじ口から入らなくなったため,

円筒を大きく削って入れることになる.

前回は配管取り出しのために電動ドリルで円筒に穴をあければよかったが,

今回はユニオンティーを横から入れざるを得ずドリルの大きさではなくなったので,卓上フライスでゴリゴリ削った.

削った穴から部品をひとつ入れたのち,内部でパイプやほかの部品を連結する方式で組み立てた.

これでサイトにかぶらずにねじ込めるようになった.

ただ,今回2個作って,うち一つはフライスする場所を間違えたのでねじ込み切ったときに穴が下を向かなくなった.

仮取り付けをして削る場所マークしたのに,なぜか削る段になってマークを無視してしまったため.

何をやったのかよくわからないがやってしまったものは仕方がないので,ねじにスペーサを入れて誤魔化すことにする.

ハイパワー対応の件.

ハンドガンはハイキャパ5.1,ガスブローバックにした.

(余談だが,ガスブローバックめちゃくちゃうるさい.固定スライドのを以前持っていたことがあるので,

そのくらいを期待していたが全く違った)

18歳以上向けのパワーは10歳向けの比じゃないぜと脅されまくったのでビビりながらセンサを選定.

ちょうど秋月で新しく販売された150PSIまで測れるセンサなら許容圧は2*150PSIに達するとのことで,

これならいいだろうと.

(実はここでミスを犯している.ガスブローバックのソースガスはHFC134aであり,

室温なら5気圧以上は出るわけがない)

前回からの間に新しいオシロも投入された(RIGOL DS1054)ので,10歳以上向けグロックG18Cともども高圧対応センサで測定する.

結果は下のようになった.

マルイ製10歳以上向け電動ブローバック モータとみられるノイズが入っている

マルイ製ガスブローバック

…あれ?

ピーク,大差ない気が.

センサには3V印加していて,ゲージ圧0時の電圧オフセットが140mVあるので,

おおむねピーク圧力は1-1.5気圧ではないかとみられる.

10歳以上向けは以前測ったセンサでも1気圧以上程度(測定上限)だったので回路的に間違ってるわけではなさそうだが.

1.18歳以上向け測るときだけ何か間違えている

2.これが正常

のどちらかで,おそらく後者.たぶん30PSIのセンサでよかった.

max150PSIだと検出電圧はかなり小さめになるが,見えないわけではないので,

マイコンのパラメータをいじって250mV以上を検出してレーザ照射シーケンスを実行するようにした.

まあBB弾が詰まった状態での小容積のチャンバ圧と,

バレルとセンサまでの配管で体積増えた状態の圧では比較できないところはあるんだけど,

たぶんね,0.2gのBB弾を1J未満のエネルギー(90-95m/s)で飛ばすのに,そんなに圧力いらないんですな.

適当に加速時間を増やすだけでも与えるエネルギーは増すので,それで十分なんでしょう.

回路は前回ブレッドボードの回路のまま作ったため大きくなってしまっていたので,

今回は小型化に留意して作った.

たいしてマイコンの機能を使っていないのでもっとピン数の少ないのを使えばいいのだが,

小さいのは在庫していないし,長さ方向に小さくする必要性はないのでのでこのままにした.

配管ほぼ直結で,サイレンサーの下に基板をセットする.

適当にテープで固定してから任意の色でサイレンサーごと塗ってしまえばいいのではないだろうか.

次はおうちシューティングでは致命的な「ブローバックうるさい問題」に対応すべく,

エアガンに組み込み式の専用射撃ユニットを作ろうと思う.