のこぎりと電動ドリルとフライス盤とCNC装置
かきかけです
世の中には色々と工具があります.
その中で,切ったり削ったりするものに限定してお話を進めていきましょう.
のこぎり,木を切るあれですが,人間によってどこを切るかを決めて刃を置き,
人間が加減をしながらのこぎりを前後させていって切り進めます.
完全手動です.まっすぐ切れるかどうかはかなり個人の腕に左右されます.
単純な丸ノコや電動ドリルドライバーなんかは,基本的には切る部分,一番力のいる部分だけを電気モータに置き換えたものです.
人間ががんばって切ったりするのの何倍ものはやさで切断します.
これは指などの人体も手動の何倍ものはやさで切断する,ということなのでさりげなく危険性は増していますが,
適切に取り扱えばとても高い作業効率を得られる道具です.
フライス盤や旋盤になると,回転する取っ手がついていて,これを回すと,
回した量に応じて,刃物や材料が移動していきます.
機械に組み込まれたガイドに沿って動いていくので,ハンドルを回していくだけでまっすぐに切ったりできます.
また,移動する量が管理できるようになった,ということで,
(技能にもよりますが)正方形やもっと複雑な形を作ることができます.
フライス盤だと直角にハンドルがついていて,縦と横と高さを別々に動かすことができます.
この仕組み上,斜めやカーブを描く形状は比較的苦手です.
縦のハンドルを1回転する間に横を1/3回転させる,なんてなかなかできるものではありません.
人間がハンドルを回すので,必要以上に複雑な形状や工程のものも苦手です.
治具(ジグ),たとえば紙をまっすぐカッターできるときに定規をあてるような,
加工の補助になるものを使うこともありますが.
複雑なものを数作れと言われるととても疲労する作業になるかと思います.
CNC装置では,縦横高さの3つのハンドルをコンピュータが事前の命令に従って操作します.
コンピュータさんなので,複雑な指示でもこなします,縦1回転の間に横1/3どころか,
円を描くように動いたり,曲面の形状に合わせて工具の先を動かして行ったりといったことをこなしていきます.
同じ部品をたくさん作る時も,一度プログラムを組んでしまえば,
それを使いまわして材料を交換していけばどんどん複製ができます.
そのかわり,人間が事前に行った命令が間違っててもその通りに突っ込んでいきます.
CNC装置にはフライスや,旋盤や,3Dプリンタなどが含まれますが,
これらは結局のところ,制御点(刃物やプリンタのノズルの先)を指示通りに動かす,
という意味では同じ種類の機械です.