虫の目レンズをつくる その3
前回はこちら
虫の目レンズ2号の画質に単眼鏡レンズの球面収差が原因とみられるソフトフォーカスが発生していた.
一方1号は画質はともかく像が反転しているため,撮りづらい.
正立に戻すにはまともな品質のレンズを追加する必要がある.
今回は倍率の高いビデオカメラを使って虫の目レンズを構成する.
動画を主用途とするビデオ機は1/30秒でフレームを切らなければならないため,
感度としてはかなり良い(画質が犠牲になるが)ため暗くても写る.
いろいろなレンズをジャンク箱をあさりながら試した結果,使用したものは,
焦点距離1mmのボードレンズ,10倍の顕微鏡用対物レンズ,
ジャンクのCOSMICAR12.5-75mm Cマウントズームレンズ,保護用MCフィルター
MCクローズアップレンズ,ビデオカメラ(SONY HDR-CX680)
組み合わせの決め手はリバースで使うCOSMICARがごくわずかにビデオカメラレンズより大きかったこと.
まず,手元のCOSMICARはカビていたので,該当箇所まで解体して清掃し,おおむね元通りに組み直した.
この型番のレンズはまだ新品が手に入るようだが,ふつうのお値段であり,
中古市場で程度のいいものを探したほうが良いかもしれない.
次に,COSMICARの対物側の先端に,46mmMCフィルターのガラスをぶち抜いたものを逆向きに接着した.
本当はぶち抜かなくてもよかったのかもしれないが,
接着に瞬間接着剤を使用したらガラスの内側が曇ってしまったので..
UVレジンはUVが届かないと固まらないので,エポキシが良かったんだと思う.
ぶち抜こうとしたときにねじ部を一部へこませてしまった
取り付けられたのでセーフ
先端の魚眼レンズと顕微鏡レンズは1号のアダプタを再利用した.
COSMICARと顕微鏡レンズはまた3Dプリンタで適当に筒を作って,テープを巻いて固定した.
あとはフィルターねじを使って,COSMICARとMCクローズアップNo.4とカメラ本体を接続したら完成.
カメラのマクロ域でピントが合っていることが分かったので,
クローズアップレンズを入れるとよりズーム側まで利用できるようになる.
2020.06.22作例を追加