Canon PowerShot G12のバリアングル液晶の反転不良を直す

CanonのPowerShot G12を前に使っていた.
細かい調整がダイヤルでできることや,
ローライトモードが画素数減る代わりにぶれないで写るため,実験データの記録用に便利だったのだが,
一時シャッターを半押しした際に画面が消えるなど不審な動作をしていたことや(これはSDカードが不良だった可能性がある),
より近くが写るカメラが欲しくてオリンパスのTG-5を買ったこともあり,
しばらく放置していた.

久しぶりにつけてみたところ,
バリアングル液晶の表示が反転せず,裏返してはめると液晶がオフになる始末でさらに放置していた.

修理に出さずにのんびりしていたらメーカーの修理対応期間をオーバーしてしまったので,
自分で直すことにした.

画面が反転しないのはバリアングル部の回転センサ不良,
反転させた画面をはめ込むと画面が消えるのは,
未反転時にはめ込む動作をマグネットセンサで検知して,省エネのために液晶を切るからだろう.
回転センサが直せれば何とかなるだろうという推測で,
カメラヒンジ部のふたを開ける.
小さいねじ2本で留まっていて,ねじを外した後,液晶を閉じて,ねじのない側からカバーを除去する.

カバーを外すとヒンジが出てくる.

マグネットを近づけたり針でつついたりしたところ,これはただのスイッチで検知しており,
液晶を回転させるとカムがスイッチを押すことで液晶表示を反転させていることが分かった.
スイッチを細い棒でつついたら液晶が反転したため,
スイッチの接点不良ではないこともわかった.
カムかスイッチの樹脂がすり減ったかで,押されたと判定できない状態になっているわけだ.

直す.

すり減った分を足してあげれば動作するはずである.
カムの頂点付近に,UVレジンを針でごく少量乗せ,LED UVライトで硬化させる.
必要でない部分に付着するとヒンジが回らなくなったりと不具合が出ることが予想されるため,慎重に.

液晶が正しく動作したので,カバーを取り付けて元通りに.

今回はキヤノンのG12だったが,バリアングル液晶を採用している同社製カメラはデジタル一眼レフ含めいくつかあり,
どれも似たような症状が出るようだ.
製品ごとに機構を考えるような箇所ではないはずなので,
他の機種も同様に直せる可能性はある.