GITZOの三脚の修理
手元には小型と中型の三脚があって(まあ,お金ならないのでアルミパイプのだが),
あとは大型三脚だなと思っていたところ,GITZOのG312が手に入ってしまった.
なぜ前の持ち主が手放したんだろうとしばらくいじってみると,
操作レバーの一部が加熱されて(燃えて?)大きく変形しているのもあったが,
一番の理由は,エレベータ(三脚の中心から生えている上下する筒)が決めた位置で止まらず,
押し込むと下がっていってしまうためだろう,と.
とりあえずネットで調べたところ,エレベータのブレーキが利かなくなって修理に出すと結構なお値段になるそうで.
とはいえ伸びない三脚として使うのもしゃくなので修理することにした.
エレベータはラック&ピニオンで駆動されるが,このままだと自重に従って降りてきてしまう,
これを避けるために,この三脚ではスプリングを用いたブレーキ機構を備えている.
軸の外寸に対してわずかに小さくスプリングの内寸を作製しておき,
エレベータを下に押し下げようとするとスプリングが締まっていくことでブレーキとなる.
ブレーキ解除レバーを押したとき,あるいはエレベータを上昇させるときはスプリングの径が広がるので,
ブレーキはかからない.
この方式のブレーキが利かなくなったとすると,以下が考えられる.
1.以前の持ち主が誤ってブレーキに注油した
2.スプリングあるいは軸が摩耗して寸法が変わった
3.スプリングあるいは軸が摩耗して摩擦係数が変わった
まず1.を考えてブレーキクリーナで洗浄した.効果なし.
2.3.の場合,部品交換が最も成功率は高いだろうが,それならエレベータなしで使うよ.
しばらく検討した結果,以下のようになった.
スプリングの横に銅線を巻いてみた.
以前スプリングがあった位置に銅線を巻いたことで,スプリングの位置が写真左側に移動し,
これまで摩擦していなかった位置にスプリングを寄せることができた.
結果,新しい場所にスプリングが当たるようになり,ブレーキが利くようになった.
これでしばらくは使えるだろう.