レーザ彫刻機 購入,組み立て編

以前からツイッターでは「青色レーザのレーザ加工機は10W超えたら金属へのマーキングが可能になる」

と発言していた.これは,ファイバレーザマーカが20W程度で成り立っていることや,

波長が短くなることで反射が減る(吸収が増える)効果が見込めると踏んでいたからだ.

一番の問題はそう簡単に半導体レーザの出力が上がらないだろうという点だったのだが.

aliexpressを眺めていたら,青色レーザでピーク15W(平均8W)を出力させるレーザ彫刻機が出品されていた.

こういうところは規制の厳しい日本よりも早くて安いというか,

日本でこの出力の半導体レーザを個人が手に入れる方法はほかにこのキットを買う以外にないという状態なので,

今回は輸入して遊んでみようという話である.

まあ,発言した以上試しておかないといけない気がしたともいう.

今回購入したのはピーク15Wのレーザモジュールにアルミフレームで組まれたXYステージがついているようなもの.

価格的にも,約$270のモジュールにステージを足すと約$370になるということで,

まさにレーザにオマケがついたようなものである.

装置のフットプリントは32x30cmでワークエリアは14x20cmである.

ちなみに国内通販で無理やり買おうとすると,amazonのマーケットプレイスで買えなくもないが,

単に間にもう一人業者が挟まるだけで,日本語でやり取りできるようでもなく国内に在庫があるでもなく,

値段が高くなることくらいしか変化はないと思う.

aliexpressでは何人かの出品者がほぼ同じものを売っており,今回はその中から選択した

(販売すると購入者からフィードバックがあるので,受注数や評価数の多い出品者ほどその商品を扱いなれている「可能性が高い」.

また,aliexpressでよくあるのは「商品画像の使いまわし」で,これが日本でよくあるレベルの使いまわしではないというか,

よその店の透かしの入った写真でも平気で流用していることが多かったりするのだが,少しでもオリジナルの写真があるところは

きっと出品者自ら商品テストをしたのだろうという「可能性が高い」).

本体価格は先に言った通り約$373.62,これに国際送料がかかる.今回はFedex,EMS,DHLから選択ができたが,

送料,配達日数,荷物の追跡,国内配送業者,この辺を加味して,Fedexを選択した.物が約4kgあることもあり$46.81となった.

支払いはクレジットカード払いを選択した.いろいろ選べるが日本人に身近なものはほとんどない.

このほかに関税がかかることを覚悟はしておいたほうが良い.払うとしたら到着時あるいは到着後となる.

商品ページくらいしか詳細な情報がないわりにそのページがなくなったりするのもざらなので,

買ったものの商品ページは印刷するなりして手元に取っておくことをおすすめする.

今回は非常にスムーズに配送され,香港を出発した荷物は,5日で通関し,6日目には日本郵政の手で配達された.

ただ国際配達の場合,ちょっと何かあると(あるいは,気まぐれで)出国あるいは入国時に詰まって時間かかることはあり得る.

覚悟していた関税は,出品者がめんどくさがって適当な値をインボイスに書いたらしく,今回はなかった.毎回そうなる保証はない.

荷物は相変わらずの黄色いテープでぐるぐる巻きにされた状態で到着した.

中国からの荷物はこの黄色いテープと拠点で投げながら仕分けされることによる信じがたいほどボコボコの段ボールが定番なのだが,

今回の荷物はほとんど箱潰れがなかった.

箱には日本税関で検査のため開封し詰め直した跡があった(それはいいのだが,上から開ければいいのにわざわざ底から開封したうえ,

箱の底のテープを切った後貼り直していなかった.中身が出たらどうしてくれるつもりなんだ).

開封チェック時に気付いたこととしては,フレームの脚となるアクリル板の一部が輸送で破損していたことだが,

機能部品でもないもので再送依頼するのもばからしいので自分で直して使うことにする.

箱を開けると複数パーツが出てきた,つまり一部組み立て式となっている.

これが日本だと「組み立てキット」として売ることで販売者の責任を逃れる方便があったりするが,

海外なので単純に輸送コストの問題か,ばらしたほうが輸送事故が少ないと見積もったかのどちらかだろう.

Y軸用に2つモータが乗っており,

そこにX軸を渡し,

最後にレーザモジュールを取り付ければ機械としては完成である.

XYともにベルト駆動である.切削機と比べると非常にヤワいが,非接触加工なのでこんなものだろう.

電装系は,フレームの後ろに基板を両面テープで貼り付け(!),各軸のモータケーブルとレーザのケーブルなどをコネクタに差し込んでいく.

これらの作業は気分でやっても何とかなりそうだが,同梱のUSBメモリにざっくりとしたマニュアルが入っておりそれを見ればできるようになっている

(さっきから余談しかしていない気もするが,この同梱USBメモリ,このご時世に128MBしかなかった).

ここまででだいたい1時間あれば組み立てられるだろう.

その他同梱品として,いまいち信用のおけないレーザゴーグル

と,サンプル加工用の材料などが入っていた.

PCとはUSBで接続する.今回は放っておいたら自動でデバイスドライバが入ったが(Windows10),

うまくいかないときはUSBメモリ内にドライバが入っている.

デバイスマネージャーによると,認識はCOM,シリアル通信ポートとしてみている.

ソフトウェアもUSBメモリのZipファイルに入っており,解凍したソフトを管理者権限で動かすとエラーダイアログなく動作する

(あまり不用意に管理者権限にしたくないのだが.今回はセキュリティソフトでチェックをかけて何も出なかったので)

つづく!