ヘッドフォンアンプくん1号をつくる

ちょっとオペアンプ触ってみたら面白かったので.

お手軽応用例としてヘッドフォンアンプでもと思って作ってみた.


電源には5V出力するモバイルバッテリを使用することにした.

交換が容易で,電池が切れるまで一定の電圧を出力してくれるので

細かいことを考えずに済む.

オペアンプの低電圧単電源駆動のものを選べばこのままでも動くようだが,

品種が選べなくなったり能力が制限されそうなので,

今回はストロベリーリナックス社の超ローノイズDCDCコンバータモジュールで

±12V80mAを得ることにする.

ノイズが普通のデジタルオシロでふつうにプローブを当てただけでは

見えないレベル(1mV)というのがウリだそうなので,十分すぎる.

これによってオペアンプが選べるようになったので,

適当に品種を選びつつ回路を計画する.

一般的にオペアンプのみで作る際には,非反転増幅を1段で作ると,

ICの数が減るし回路も簡単になるが,

今回は独断と偏見で,ボルテージフォロワ1段反転2段の3段にしてみた.

まあ特に意味はないかもしれない.

増幅は,今どきのオーディオ機器はそんなに増幅しなくてもよさそうだったので,

1.5^2=2.25倍とした.これは抵抗の交換でもっと大きくすることもできる.

オペアンプは入力インピーダンスが高く,スルーレートがそこそこあり,

出力電流が取れ,オーディオ用と言って販売しているMUSES8920D x3にした.

他は基本的な状態から変えていない.

ボリュームがあって,直流カットのハイパスフィルタがあって,

ボルテージフォロワで受けて,2段の反転で増幅する.

ボリュームはフォロワ回路の後ろに入れるべきだったかもしれない.

いーぐるが使えないのでパワポ回路である.

回路はユニバーサル基板上に組み立てた.

最初DCDCコンバータからの電圧を逆極性にするという致命的なミスをしたが,

なんとか部品は無事だった.(700Hzくらいの三角波に発振していた)

ミスをなおしたところ,普通に視聴できた.

音がいいのかどうかはよくわかんない.

もう高音域聞こえなくなってきてるし..

あと,回路が電波を拾う.

wifiやLTEの上り電波を発している機器がそばにあると,ぶちぶちとノイズとなる.

箱にアルミテープや鉄系電波吸収材を貼ったが改善しなかった.

箱そのものは100円ショップの桐箱.加工がしやすくてよい

ポケットの片方にスマートフォンをいれ,

反対側にアンプを入れるなど運用でカバーはできる.

電池の持ちはダイソーの300円モバイルバッテリ(2000mAhらしい)で8時間程度.

こういう用途にはうっかり壊してもよい電源として最適.

テストにはRIGOLのデジタルオシロDS1054Zと

SIGLENTのファンクションジェネレータSDG1025を使った.

40kHzのサイン波.このくらいで見た目に変化があるようでは困る.

矩形波(20kHz) 無負荷時,最大ボリューム.

オーバシュートが発生している.2波長分くらいで減衰している.

20kHz矩形波.ボリュームを絞ったところオーバーシュートがなくなった

(20kでは聞こえないので)10lHz矩形波,ヘッドホン(60Ω)あり.

結局リンギングする.

この条件でも可聴域ではないし,たぶんヘッドフォンの振動板もついてこないので,

問題ないっちゃないのだけれど.

解消するには帰還抵抗にパラにコンデンサを足すらしいが.

参考とするスタンダードなヘッドフォンアンプを持ち合わせていないので,

KORGのnutubeヘッドフォンアンプキットをみてみる.

1kHz正弦波.ヘッドフォンあり.

10kHz矩形波,ヘッドフォンあり.

振動が製作したものより収まらないが,このnutubeアンプの場合それが味であるかもしれず.

PCとサウンドインタフェースによるスペクトラムアナライザ.

オシロのFFT機能使えとか言わない,まだ使いこなせてないんだから

出力波形をそのまま入力に直結で戻す状態でどんな感じか見ておく.

いくつかの高調波の山が見える.

まあたぶんおおむねフラット.

nutubeアンプ

高音まで続く大量の高調波.豊かな倍音ともいう.

オマケ.

nutubeのケースを爪ではたいた時の波形.