ショコラ、ハゲる 皮膚糸状菌症との戦い

2009年の5月に新しく茶黒ティディモルのモル主となった。
今年の秋には、モルモットが主役の映画が公開されるというのに、
近所では高価なスキニー以外を取り扱うショップがなかったため、
モルを探すだけでも大変だった。
(見た感じ、市場に雄の出てこないスキニーをmixで無理矢理増やそうとしたブリーダがいるらしく、
半端な薄毛に悩むモルが多かったのは気のせいか?)

購入したショップの、同じケージにもう1匹ティディがいたが、
ティディのハズなのになぜかすごく薄毛で,鼻水や目やにも出ていて不安がよぎったが,
他にモルを直接みて買える店が無いので目をつぶった.

が,すぐに異変が.

1週間後にはフケが出始め2週目には左背中がハゲた(笑
肌色になっている部分
まだちっちゃくてかわいい.ハゲてるけど.

さらに黒い鼻の一部分が白いのは模様だと思っていたが,
広がり始めたので,獣医さんのところへ.

獣医さんは,まずクリティカルな寄生虫のチェック(センコウヒゼンダニとか)をフケや抜け毛から行っていた.
顕微観察で寄生虫が見あたらないのを確認した上で,
・抜け毛が毛根ではなく途中で細くなって抜ける
・毛やフケに菌糸の走ったあとがある.
・耳や鼻の肉眼で白く見える部分にUV(紫外線)ライトを照射すると蛍光(緑系統)する

を根拠に,「皮膚糸状菌症」と診断.
要するにかもされちゃったわけだ.

処方されたたのは,「シルピナ」という,ヨウ化銀溶液.
動物用医薬品でも承認を取ろうとすると価格に反映されるそうで,
「イヤークリーナー」としての販売らしい.

まあ,ヨウ化銀を投下すると,皮膚上でヨウ素イオンと銀イオンに分割し,
銀イオンは真菌どものイオウを引っ張る抗菌作用,
ヨウ素自体も殺菌力があるので,2重爆撃される効果が期待される.

一日1回は患部に塗り広げて,とのことだったが,効きが悪いし,単なる殺菌剤なので2回に途中から増やした.
これはあとで獣医さんに確認したが,まあ問題は起きないだろうとのこと.
面積が広がった.フケも確認できる.

そうこうするうち,ショコラがかゆいところを触ってしまうので,
患部を触ったところ,触ったあとに掻いてしまったところ,
具体的には,耳,鼻(広がった),足,おしり,と戦域が拡大し,
塗る面積が増えてくると,シルピナの消費量が増える上,ショコラに嫌われた..

戦域は拡大したものの,最初にハゲた部分は消毒効果で直ってきて,毛が生えてきた.
しかし,今度は毛が生えてきたところの周辺部分に広がってハゲ始めた(笑)
リングワーム」という皮膚糸状菌症の別名を実感した.

もう消毒剤ではらちがあかない,
でも経口投与抗真菌剤に変更すると,数週間口に薬品を突っ込むというもっと嫌われそう
措置になってしまうと考えていたところに,天啓.

皮膚糸状菌症も真菌症なんだから,水虫薬が効くのでは?

なぜかちょうど良いところに期限切れの「ツムラ アスタット ラノコナゾール製剤」があったので,
ネットで検索.
アスタットの能書(添付文書)の[薬効薬理]に,「治験のとき人工水虫モルモットに1日1回使用し,14日で検出できなくなる威力を発揮
「塗った部分の角質に貯留され,4日間新たなカビ菌の感染を阻止した」(抜粋,文面の変更あり)
と書いてあったので,モルに使っているのならと使用することに.
また同時に,リングワーム対策として,「患部周辺でフケの出ている箇所の毛刈りと投薬」を実行.
見落としや薬剤の塗り易さ(毛が長いとベトベトになる)を意識した処置.
せっかく生えてきた部分も,塗りにくいので刈りました.
刈られました.
この頃にはかなり薬を嫌がるようになって鼻に塗りにくくなったので,鼻は自分で塗ってもらうことに.
どういう事かというと,塗ったところを口でいじってしまうので,そのときにつけばいいや,と.

さらなる菌の拡散防止のために,予防措置として,数日おきに櫛で背中側の毛全体にアスタットクリームを薄く塗り広げた.
貯留性と定着阻止効果があるのでたぶん効くだろう.
副作用としては,クリーム剤なので,一時的に直毛モルモットになった(笑)

これらの措置は非常に効果を示し,1-2週でほぼ全戦域でおカビ様の敗色が濃厚となり,
塗り忘れ箇所を中心にさらに2週塗るとフケは出なくなった.

ハゲたり,毛刈りした部分はカビがいなくなれば非常に早く回復し,
数週で地肌が見えなくなり,1ヶ月もすると他とあまり見分けが付かなくなった.
少し生えてきたところ.

投薬中に消化器官の細菌叢には影響が無かったようだった.
(抗「真菌」薬であり,腸内「細菌」には影響が無いのはある意味当たり前だが)

確認した副作用は,基剤のクリームによる皮膚の乾燥(耳の裏)だけだった.



※あなたのモルにやってみる場合(あくまで自己責任です)
・獣医さんに「皮膚糸状菌症」と確定診断してもらってからにしましょう.
 寄生虫その他が原因の場合,全く効かないだけでなく,よりひどくなったり,治療機会を逸することにもなりかねません.
・水虫薬は各種市販されているが,ブテナフィン系はあまり動物相手に使用した症例数が少ないので,
 ラノコナゾールやその類似成分で出来ているものの方がよい.
・また,ステロイドが含まれているとエライことに(具体的には,塗る前よりひどくなる)なるので,
薬品の箱に書いてある成分表をよく見て,基剤と抗真菌剤のみのものを使用すること.
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