低コストでスマートフォンを顕微鏡にする

さいきん,ローコストで顕微鏡を作って発展途上国がどうのこうのとか教育目的でどうのこうのといった,
顕微鏡と称する製品やコンセプトがいくつか発表されている.
記事のコメントを見た限りだと,とても賞賛されているようだ.

「Leye」製品情報http://leye.jp/
Wiredの記事 http://wired.jp/2014/03/15/smartphone-microscope/
Engagetの記事 http://japanese.engadget.com/2014/04/26/100-leye-5-3780/
3780円.30-100倍.3mmボールレンズ使用.スマートフォンのフロントカメラを利用する.
※倍率はカメラの品種とスマートフォンの画像サイズによって変化する.
…いや,実は工学界隈だと「倍率」って表現しないんですがね.
「画面で見る形式だといかようにもモニタサイズで倍率が変化する」っていう,まさにそのままの理由で.
ふつうは,信頼できる長さ基準から得たスケールバーを画像の隅に書き込みます.

マヌー・プラカシュ博士のペーパー顕微鏡
TEDのプレゼンテーション http://www.ted.com/talks/manu_prakash_a_50_cent_microscope_that_folds_like_origami?language=ja
Wiredの記事
http://wired.jp/2014/03/11/paper-microscope/
折り紙とボールレンズを利用する.50セント.

目視または壁に投影して使用する.これで病原菌を特定したりしちゃうらしい.
非常に頑丈で,落としたり水に沈めたりしてもいいらしい.
最大倍率2000倍は盛りすぎだと思う.

個人的には,ボールレンズひとつの構成では顕微鏡っていうのか怪しい気がするが,
みなさんがそう言っているのでここでもそのように取り扱うことにする.

さて今回は,低コストといかいってる割に,ぬるいと思ったのでとことんまで価格を下げてやろうとした結果,こうなった.
27円.
内訳は,5円玉一枚,1円玉16枚,スライドグラス1枚(6円).

350年の伝統,レーウェンフックのボールレンズよりさらにプアーな,
5円玉に水を一滴たらすという極めて古典的な手法でレンズ形状を形成することで
光学系のコストを大きく抑えることに成功,それを1円玉による構造物で支え,
さらに積み上げた1円玉の上にプレパラートを乗せ観察する.

だけ.

穴の径が若干小さい50円玉のほうが水滴が落ちにくくなって使いやすいとは思うが,
それやると顕微鏡の価格が跳ね上がるのでやめた.
スライドガラスは手に入らなければ,代わりに透明な下敷きや定規でもいいかなと.

使用する1円玉の数(というか,プレパラートの高さ)は,水滴の体積の違いによる表面のカーブ具合と,
スマートフォンのピント調節範囲によって変化するかと思う.

実際にお札を観察したのがこちら.
少しレンズ(5円玉の水滴)がカメラの中心からずれているが,マイクロ文字が拡大されて見えるのがわかる.
スマートフォンで撮った写真をより大きなPCモニタで見たりズームしたりすると,
倍率という表記が実用上なんの役にも立たないことがわかるだろう.
透過型だがスマートフォンのフロントカメラは比較的暗いところまで写る機種が多いので,照明しなくても済むこともある.
暗すぎたら部屋の明るいところに移動したり,そのへんの懐中電灯で照らせばいいだけの話.
金属の表面とか光を通さない対象物が一番苦手.

安いし,手に入りやすい物品しか使用していないので誰にでもすぐ作れるし,
水に沈めても顕微鏡部分は壊れないし,踏んづけるのは日本国のお金様だからやめようね.
これら先述の顕微鏡が持つ機能に加え,
この顕微鏡,なんと不要になったら大部分の構成要素がレジで通貨として利用できるところが
素晴らしい思想に基づいて作られた他の方の顕微鏡にないオンリーワンな機能なのですが,だめですかそうですか.


まあ,ふと急に顕微鏡が必要になったときとか,教育とか教育とか教育とかにご自由に利用してください.
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